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苔の研究レポート

007 スギゴケの枝分かれ現象

 2006年10月20日、新発田市紫雲寺地内でスギゴケの調査をしている時、採取したスギゴケの中から、枝分かれした株を偶然に見つけました。スギゴケは枝分かれしない、というのが定説です。まあ、自然の世界のことですから、突然変異のようなものが稀にはあるのかもしれません。とりあえず写真に撮りました。

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 その後、枝分かれのスギゴケを見ることはなかったのですが、2010年9月2日、胎内市大峰山地内で偶然に枝分かれした株を見つけました。そこで苔神は改めて、9月2日から10月18日の間、4地点での調査をしました。

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 9月 2日 胎内市大峰山地内 360個体中 枝分かれ株 13個体 オオスギゴケ
10月 1日 秋葉区小須戸地内 780個体中 枝分かれ株 43個体 オオスギゴケ
10月 8日 江南区亀田地内  350個体中 枝分かれ株 10個体 ウマスギゴケ
10月18日 新発田市荒町   230個体中 枝分かれ株 90個体 ウマスギゴケ
(10×10センチ角の広さで採取)

 江南区亀田で採取した株の中に、先端が3本に分岐した珍しい株を発見しました。
またその後、11月3日、新発田市上板山地内で採取した株の中から、枯れた個体の茎葉体から新株が発生しているものを発見しました。これは播きゴケ法の原理と同じ現象のように見えます。スギゴケの茎葉体を地面に播くと、茎葉体が枯れて新株が発生するのとそっくりです。
 とすると、スギゴケの枝分かれ現象は栄養体繁殖の一種かもしれません。あるいは、スギゴケの無性芽によるものなのでしょうか。いずれにしろ、これほど枝分かれが多数発見されたのです。たまたま、とか、突然変異とかでは片付けることができない現象です。 by 苔神
 追記:新発田市荒町のスギゴケの繁殖地は、道路建設予定地として十数年放置されていたのですが、2011年、とうとう道路建設が始まり、ブルドーザーの下敷きになって消滅してしまいました。長い間、苔神の調査地点だったのですが、残念です。
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