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苔の栽培方法

004_庭園のスギゴケ講習会_in 大宮

 2018年6月2日、大宮駅前のJA共済埼玉ビルの会議室で、庭園のスギゴケ講習会を開催しました。
 今回のスギゴケ講習会は、㈱嵐北商事の土田一義会員から、企画から準備まで、事務局となって運営して頂きました。講習会には、東京、埼玉、千葉、神奈川、長野、新潟の各地から15名の造園関係者が参加しました。
 講習会は、午前10時から午後3時半まで、①庭園のスギゴケの現状、②スギゴケの生態学、③スギゴケ苗の選別基準、④スギゴケの移植法と管理法、を講習し、庭園の苔を扱う造園業者にとって必要な、具体的な技術や知識を学んで頂きました。幸い、今回は5月に実施した京都・泉涌寺のウマスギゴケ修繕工事の事例を紹介しながらの講習で、参加した方々から、分かりやすい!とても勉強になった!との反応を頂きました。
 
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   講習風景
 
 庭園のウマスギゴケを扱う造園業者の方は、ほとんどウマスギゴケについて知りません。どんな苗を選び、どのように移植するのか、どのように管理するのか、何故そうしなければならないのか、苔神が事例に基づいた講習を致します。これからさらに多くの機会を設けるつもりでいますので、その際は、是非とも講習に参加して、スギゴケについて学んで下さい。
                                  By 苔神

003_胎内市坂井_苔栽培講習会

 2018年5月23日、胎内市坂井公民館で、苔の栽培講習会を開催しました。
 胎内市では、中山間地の農業や林業の不振・衰退に歯止めをかけようと、地域おこし協力隊員を募集し、新たな地域振興を目指しています。今年4月から協力隊員として赴任した朽網裕子会員が、苔を中心とした事業を起こそうと地域に提案し、今回、苔の栽培講習会を実施することになりました。
 講習会には、坂井集落の住民約13名が参加し、午前に種の採取、選別、洗浄、乾燥、刻種加工、播種と、栽培の実習を中心に研修を行い、午後に苔の基礎知識を学ぶ座学を行いました。
 
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   苔の種採取
 
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   選別、洗浄、加工作業
 
 講習会終了後、参加者が集まり、今後の苔の栽培事業の進め方について、具体的な計画を話し合い、今年度は、2反歩、5,000ケースのウマスギゴケ栽培を実施することとしました。さらには、参加者の中から、もっと苔を学んで様々な苔の事業の可能性を追求し、坂井地区を全国の苔事業のモデル地域にしたいと、日本苔技術協会に参加したい旨を申し出る方もいました。
 夢が叶うよう、苔神が応援します。             By 苔神

002_京都_㈱小林造園_庭園のスギゴケ講習会

 2018年2月10日、京都市の㈱小林造園さんのお招きで、庭園のスギゴケ講習会を開催しました。
 京都には、苔庭がたくさんあり、その苔の美しさは海外からの観光客にも人気となっています。その庭園に使用される苔の大半がウマスギゴケなのですが、そのウマスギゴケが見るに堪えない状況にあります。京都だけではなく、日本全国のウマスギゴケが同じようになっています。
 庭園のウマスギゴケが衰退する要因の多くは、株の倒伏による枯死なのですが、それを引き起こす原因となっているのは、移植用の苗の不良、移植方法の誤り、移植後の管理の誤りにあります。特徴的なのは、ウマスギゴケを移植して2~4年後に、必ずと言ってよいほど、そうした倒伏枯死現象が発生しています。
 
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  庭園のウマスギゴケの現状
 
 庭園のウマスギゴケの衰退を防止するには、ウマスギゴケの生態を知る必要があります。自然界で自生するウマスギゴケとは異なり、庭園で育成するウマスギゴケは、環境の違いによる様々な生育障害を引き起こします。そのためにウマスギゴケの生態に即した育成処置を行わなければなりません。
 ㈱小林造園では社員教育の一環として、今回、初めて庭園のスギゴケを学ぶことになり、苔神が講習を実施することになりました。
 
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  講習風景
 
 講習は午前8時半から午後3時半まで、座学を中心に、①庭園のスギゴケの現状、②スギゴケの生態学、③スギゴケ苗の選別基準、④スギゴケの移植法と管理法、を講習し、実際に人工栽培された良質なウマスギゴケの苗を手に取ってもらい、現状の市販されている苗との違いを見てもらいました。最後に質疑応答を行いましたが、これまでのスギゴケの考え方と大きな違いが理解できたと、とても好評でした。                 By 苔神

001_くりはら「苔」栽培講習会

 2017年10月23日、24日の両日、宮城県北部地方振興事務所栗原地域事務所の主催で、栗原市栗駒文字鍛冶屋の愛藍人・文字(アイランド・モンジ)およびセンター中山で、苔の栽培講習会を開催しました。
 宮城県では、中山間地の農業や林業の不振、衰退に歯止めをかけ、農業や林業の新たな振興を目指して、苔を中心とした産業の可能性を探るために、苔の栽培講習会を企画し、苔神に要請することになりました。
 23日、講習会の初日は、未明から大型大風21号が東北を駆け抜けましたが、午後1時の講習会開始の頃には、会場周辺の天候は落ち着き、雨も止んで、定刻通り会場の愛藍人・文字周辺の野外でフィールドワークを行い、苔の観察をしました。その後、3種類の苔の種の播種の実習を参加者全員で体験することができました。
 
  苔の観察フィールドワーク 愛藍人・文字
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  苔の栽培実習 愛藍人・文字
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 24日、講習会2日目は、台風一過の晴天に恵まれ、センター中山で、苔の生態や圃場の整備、栽培維持管理などについてスライドショーを見ながら、苔神の講座を実施しました。
 この日の講習を地元の大崎タイムズ社が取材し、後日、記事にするとのことでした。
 
  苔の生態、圃場の整備、栽培維持管理等の講座 センター中山
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 今回の講習会には、地元の人、林業関係事業者、栗原市地域起こし協力隊員、栗原市農林振興課など、総勢25名が参加して真剣に研修を受けました。
 講習会終了後、主催者の宮城県北部地方振興事務所栗原地域事務所の担当者は「今回の講習会を起点にして、新しい産業としての苔の栽培を着実に進めて行き、長期的な計画で地域振興の推進に努めたいです。」と話してくれました。
 苔神も応援します。                        By 苔神

012 ホソバオキナゴケ

 012 ホソバオキナゴケ

 ホソバオキナゴケ(Leucobryum juniperoideum Mull.Hal. 別名Leucobryum neilgherrence Mull.Hal.)はシラガゴケ科シラガゴケ属の一種です。通称ヤマゴケと呼んでいますが、よく似ているアラハシラガゴケ(Leucobryum bowringii Mitt.)と区別しないでヤマゴケと呼びます。正確に言えば、シッポゴケ科ヤマゴケ属ヤマゴケ(Oreas martiana brid.)という苔があり、似てはいますが別の種類です。
 よく似ている苔はたくさんありますが、中には全く別の苔ということもありますから、できるだけ正確に名前を呼ぶようにしたいものです。

 下の写真は、アラハシラガゴケとホソバオキナゴケを比較したものです。
 
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 アラハシラガゴケ ①~④
 
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 ホソバオキナゴケ ⑤~⑧
 
 コロニーの外観、茎葉体の外観(茎高2~3センチ)は勿論ですが、葉(3~10ミリ)のルーペ観察でもその違いは分かりにくいです。アラハシラガゴケとホソバオキナゴケを見分ける最も明瞭なのは、茎に明瞭な中心束があるのがアラハシラガゴケ(画像④)、茎に中心束がないのがホソバオキナゴケ(画像⑧)です。これは茎の断面切片を、200倍程度の顕微鏡で観察すると案外簡単に判別することができます。

 アラハシラガゴケとホソバオキナゴケはよく似ていますが、似ているのは、姿や形だけではなく、育て方もほとんど変わりありません。苔神は少し見た目で大型のアラハシラガゴケよりも、見た目できめの細かいホソバオキナゴケが好みですから、もっぱら、ホソバオキナゴケを栽培しています。                          By 苔神

004_ギンゴケの栽培 失敗!

 3月1日に、「ギンゴケの栽培は、その後、どうなったのでしょうか?」という問い合わせメールを頂きました。

 2014年3月31日から、ギンゴケ(Bryum argenteum Hedw.ブリューム アルゲンテウム)のケース栽培試験を開始し、レポートを書いてきましたが、2014年6月に「004ギンゴケのケース栽培」レポートを書いたまま、その後、ずっと報告していませんでした。申し訳ありません。
 
 実は、その後、観察を続けていたのですが、昨年2015年3月に強風が吹いて、圃場に並べていた栽培ケースが飛ばされてしまったのです。もちろん、試験中のギンゴケはケースごとひっくり返され、培土も苔もすべて散乱してしまいました。それで、その後のレポートは手付かずになってしまったのです。
 
 そこで、途中までの経過を報告して、お詫びしたいと思います。
 
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 先ずは上の画像、昨年3月の強風の被害です。最大瞬間風速で25m/secくらいだったようです。防草シートごとめくられて、100ケースほどが被害にあいました。
 
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 ギンゴケ栽培は、上の画像が、2014年6月29日、下の画像が、2014年9月23日です。
 
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 試験は順調に進み、ギンゴケはどんどん成長を続けていました。9月に入って、雨が少なく乾燥状態が続き、見た目には枯れ果てたように見えますが、苔そのものは健全に育っています。その後、10月には緑色が回復し、冬期間に入ったまま、翌年の3月に被害にあってしまいました。
 再度、試験しようと考えたのですが、他の試験が忙しくて、そのままになってしまいました。

 ということで、ギンゴケ栽培試験は途中までで、終了となりました。いつもこのレポートを読んでいただいている皆様に、お詫び申し上げます。
  by 苔神

004 ギンゴケのケース栽培

 2014年3月31日から、ギンゴケ(Bryum argenteum Hedw.ブリューム アルゲンテウム)のケース栽培試験を開始しました。
 これまで手探りだったギンゴケの栽培を、本格的にやってみようと、栽培ケースに播種し、圃場に放置し、試験開始です。試験栽培は10ケースで、圃場の一画に不要になったテント生地を防草シート代わりに敷き、ケースに蓋掛けをして、配置しました。写真下の黒いケースです。10ケースだけなので、テント生地が風で飛ばされないように重石代わりに離して配置してあります。
 
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 下の写真は、左が5月23日、右が6月3日です。観察すると、もう成長し始めていました。少し、雑草が入り込んでいますが、1ミリほどの芽が密に出ています。5月23日は雨の後で濡れています。6月3日はしばらく雨が降らなかった時で乾燥しています。
 
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 この状態でどんなふうに育って行くのか、観察を続けてみます。
  by 苔神

011 ヤマゴケの差し芽箱栽培

 2012年6月6日に播種して、差し芽箱の蓋掛け栽培したヤマゴケ(ホソバオキナゴケ Leucobryum juniperoideum (Brid) MÜll.Hal.)の栽培記録です。
2年間の記録を一気に公開します。
 2012年6月6日
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 2012年9月27日
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 2013年3月19日
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 2014年5月7日
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 写真で、2年間の育ち具合がわかるでしょうか。実際は、コロニーは密に生えそろい、厚みは1センチ程になっています。もう十分に移植可能になっています。
 ヤマゴケ(ホソバオキナゴケ)の栽培では、風による乾燥、直射光による乾燥を避けることが成功の秘訣です。この意味で、差し芽箱を蓋掛けして育てる方法が、最も適切なのだと考えます。

By 苔神

018 プランター栽培の記録

 2011年3月28日に苔の種を播きました。
 2014年5月7日の観察です。前回の観察から4か月経ちます。雪解けから、ぐんぐんと気温が上がり、最近は20℃を超える日もあります。この気温の上昇に伴って、スギゴケの新株が急激に伸び出しました。茎高は5㎝、緑葉部は2㎝、土中の仮根部は1㎝ほどです。こうなると、どんどんとコロニーが発達してゆくものと思われます。
 
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 この試験では、苔の種を播種して最初の1年間は、ほとんどハイゴケばかりが目立ちました。2年目くらいからスギゴケが少しだけ混じるようになり、3年目にしてようやく初期のコロニーを形成する段階まで繁殖し始めました。
 自然観察では、スギゴケが繁殖し始めた場所が、やがて旺盛にスギゴケのコロニーが発達するようになるまで、数年もかかることがあります。この試験栽培のプランターがスギゴケでいっぱいになるのに、どれくらいの年数がかかるのか、興味津々です。
 By 苔神

003 ギンゴケ栽培 枯死・復活

 ギンゴケ(Bryum argenteum Hedw.ブリューム アルゲンテウム)の栽培試験です。2012年11月13日に播種しました。
 試験開始から1年2ヶ月が経過しましたが、その後のレポートに手抜きをしてしまいました。前回のレポートから、半年も経っていますが、継続してレポートします。
 実は、前回№002で、カビが生えたことを報告しましたが、その後、水やりをストップして2か月ほど放置しておいたところ、カビは消滅しましたが、ギンゴケも全枯死してしまいました。
「ああ、もうだめか!」
 そう思って、全く放置してすっかり忘れていたのですが、最近になってふと見たら、復活しているのを発見し、少しずつ水やりを再開しました。(全く、うかつなことです。)
2014年1月11日の観察です。
 
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 枯れた茎葉体から、分岐芽が発生しています。ギンゴケに限らず、コケは栄養体繁殖で枯れた茎葉体から新しい芽が発生して増殖するのはよく知られています。下の写真はそれがよく分かります。2013年3月11日に播種したギンゴケを促成栽培して、3か月後、6月1日に観察したものです。1本の茎葉体からたくさんの芽が出ています。
 
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 2014年1月11日に観察した促成栽培の枯死した茎葉体からも、芽が伸びているのが観察されました。
 
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 ギンゴケは、どこにでも見られるコケです。道路わきの縁石まわり、駐車場の隅、ブロック塀の下など、かなり過酷な環境下と思われるような場所に(好んで?)繁殖しています。どちらかというと、乾燥気味な環境下で生息すると考えられます。
 苔神の促成栽培試験では水分をたっぷりと供給して栽培したので、極端なほど徒長してしまいました。また、今回、水補給を絶って極端な乾燥下で放置して、半年間、全枯死状態になってしまいましたが、それがいつの間にか復活しています。
 ギンゴケの生態、まだまだ、分かりません。
  by 苔神