苔の専門サイト 日本苔技術協会 > 苔の栽培方法 > 006 ヤマゴケの苔玉

苔の栽培方法

006 ヤマゴケの苔玉

 ヤマゴケで苔玉を作り、育てるのは、案外簡単です。屋内で育てる時はなるべく明るい場所で、でも強い直射日光を避けること、水を切らさないこと、この2点に注意すれば、ヤマゴケは確実に育ってくれます。

水を切らさないように注意しますが、水を切らさないというのは、苔玉の内部を乾燥させないということです。いろんな人がいろんな方法で苔玉の育て方を教えていますが、どんな苔玉でも、内部の土壌(あるいは乾燥ミズゴケ)を乾燥させてしまうと、コケの表面で水をはじき、吸水が難しくなってしまいます。

苔玉の内部の土壌の選び方で乾燥の度合いは異なりますので、水遣りの頻度も変えなければなりません。また、植物を植え込む苔玉では、植物が吸収する水分の量だけ乾燥が速くなります。つまり、苔玉は作り方によって水遣りの量や方法が違います。さらに、苔玉を育てる環境はそれぞれ異なりますので、その場所に合った水遣りをしなければなりません。これが分からないと、苔玉はうまく育ってくれません。
 
06%20yamagoke_1.jpg
 
 苔玉の育て方として、内部の土壌を乾燥させないことは大事なのですが、そのために容器の底に水を溜める方法を教えている方がいますが、これは注意が必要です。長期間、水を溜めたままにしておくと土壌が腐敗してくることがあります。苔玉の底が水と接している状態が、悪臭の原因だけでなく、コケが黒くなって弱る原因にもなります。
 また、室内での光量が不足すると、同じ現象が起こります。

 コケは茎葉体が伸びるにつれて、下部が枯死し、土壌化して行きます。コケを過湿に育てると異常に成長し、徒長してしまいます。徒長することによって、茎の下部の枯死(?)が早くなるのではないか、と苔神は考えています。(確認はしていません)
 
 写真のヤマゴケの苔玉は2011年2月に作りました。糸が見えなくなるほど育っています。ガラス容器に入れて育てていますが、容器の底には水は溜めません。室内で育てています。一日1回の霧吹きだけで育てています。時々、容器ごと全体を水洗いします。
心材には腐敗の元になる土壌は使っていません。(無土栽培法)
  By 苔神