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苔の栽培方法

012 ホソバオキナゴケ

 012 ホソバオキナゴケ

 ホソバオキナゴケ(Leucobryum juniperoideum Mull.Hal. 別名Leucobryum neilgherrence Mull.Hal.)はシラガゴケ科シラガゴケ属の一種です。通称ヤマゴケと呼んでいますが、よく似ているアラハシラガゴケ(Leucobryum bowringii Mitt.)と区別しないでヤマゴケと呼びます。正確に言えば、シッポゴケ科ヤマゴケ属ヤマゴケ(Oreas martiana brid.)という苔があり、似てはいますが別の種類です。
 よく似ている苔はたくさんありますが、中には全く別の苔ということもありますから、できるだけ正確に名前を呼ぶようにしたいものです。

 下の写真は、アラハシラガゴケとホソバオキナゴケを比較したものです。
 
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 アラハシラガゴケ ①~④
 
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 ホソバオキナゴケ ⑤~⑧
 
 コロニーの外観、茎葉体の外観(茎高2~3センチ)は勿論ですが、葉(3~10ミリ)のルーペ観察でもその違いは分かりにくいです。アラハシラガゴケとホソバオキナゴケを見分ける最も明瞭なのは、茎に明瞭な中心束があるのがアラハシラガゴケ(画像④)、茎に中心束がないのがホソバオキナゴケ(画像⑧)です。これは茎の断面切片を、200倍程度の顕微鏡で観察すると案外簡単に判別することができます。

 アラハシラガゴケとホソバオキナゴケはよく似ていますが、似ているのは、姿や形だけではなく、育て方もほとんど変わりありません。苔神は少し見た目で大型のアラハシラガゴケよりも、見た目できめの細かいホソバオキナゴケが好みですから、もっぱら、ホソバオキナゴケを栽培しています。                          By 苔神