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苔の研究レポート

016 乾燥期のスギゴケ

 8月5日、新潟市内の公園のオオスギゴケです。(写真下)
 7月18日から8月5日までの20日間で、雨が降ったのはたった一日でした。降雨量は4.5ミリ。
 乾燥期のスギゴケは葉を閉じてカラカラです。
 
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 9月12日、同じ場所のオオスギゴケです。(写真下)
 8月6日から9月3日までの29日間で、降雨日は6日でした。降雨量、最高で13.5ミリ。
 9月4日から12日までの9日間では、降雨日は5日、降雨量、最大で66ミリ。
 雨が降ると、途端にオオスギゴケはよみがえり、ご覧のように青々としています。
 
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 その2日後の9月14日、たった2日間、雨が降らなかっただけなのですが、また再び、オオスギゴケは葉を閉じてカラカラになりました。(写真下)
 
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 オオスギゴケに限らず、乾燥した季節のスギゴケは赤茶けて、見るからに枯れてしまったように見えますが、こんな状態のまま1か月以上雨が降らなくても、枯死したわけではありません。一雨来ればたちまち青々としたコロニーに変身します。
 スギゴケが乾燥したまま、どれくらいの期間生き続けることができるのか、まだ明らかにはなっていませんが、苔神は2年と8か月間乾燥状態で保存したスギゴケに水分をやって、再生したのを観察しました。まるでクリプトビオシス(無代謝状態、仮死状態)のようですが、はっきりしたことは分かりません。
 By 苔神