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苔の研究レポート

035 育てるこけ玉

 こけ玉を育てるのは難しい!と思っている方はたくさんいるようです。確かに、ケト土やミズゴケを使って作られたこけ玉は育てにくいものです。ですが、こけ玉を育てることを難しくしている一番の原因は、苔を巻いて糸で固定する時、緩くしてしまうことです。こけ玉の苔をきれいに見せるために、糸を緩くして固定しまいがちですが、こけ玉の場合、苔がしっかりと固定されないと、活着せずに枯れてしまうことが多いのです。
 苔をしっかりと固定するように、糸で少しきつめに巻いて止めれば、苔は活着して新芽を伸ばし、きれいに育ちます。糸でしっかりと固定すると、苔は見た目にはややつぶれたように見えますが、苔を育てるのであれば、このやり方が正しいのです。
 
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 上:2017年5月31日 苔神オリジナル こけ玉ポットを制作して育成開始。
 
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 上左:2017年8月25日 約3か月   上右:2017年10月22日 約5か月
 
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 上:2017年12月8日 約6か月 きれいに育ちました。
 
 掲載した画像は、昨年5月末に作成した苔神オリジナルの土を使用しないこけ玉ポットです。ハイゴケドライシートを巻いて、糸でしっかりと固定しています。なんだか苔がつぶれているように見えますね。これを家庭用コンテナに入れて育てます。管理は水をやるだけです。
 3か月ほどで新芽が伸び出し、半年後にはふんわりとしたコロニーで覆われ、きれいなこけ玉に育ちます。こうして育てたこけ玉のポットに、お気に入りの植物を植えれば完成です。
 こけ玉の苔が汚くなった、枯れた、という問い合わせがたくさん寄せられましたので、照会しました。
 
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 上:つい最近、長寿梅の紅白を手に入れ、こけ玉ポットに植えてみました。
  By 苔神