苔の専門サイト 日本苔技術協会 > 研究レポート > 003 スギゴケです!

苔の研究レポート

003 スギゴケです!

スギゴケです!
スギゴケを調査しました。4種について報告します。

03sugi_4.jpg

オオスギゴケ (Polytrichum formosum )2008年10月17日 聖籠町清潟地内採取
ウマスギゴケ (Polytrichum commune )2007年6月30日 加茂市冬鳥越地内採取
コスギゴケ (Pogonatum inflexum )2007年6月19日 新潟市江南区矢代田地内採取
タチゴケ (Attrichum undulatum )2009年3月31日 聖籠町清潟地内採取
 庭園などで使われるスギゴケの代表的な種類です。
コスギゴケとタチゴケは葉の表面のつやで判別しますが、ルーペを使えば、タチゴケの葉の表面に横向きのしわのようなものが観察できます。
オオスギゴケとウマスギゴケは、大まかな見た目で判別しますが、若い株だけを見せられると、苔神にも判別が難しいことがあります。顕微鏡で葉のひだを観察して、頂端細胞が丸いものがオオスギゴケ、へこんでいるのがウマスギゴケと判別するのですが、はっきりと判別できることは稀です。
 大きさ(茎高)について、図鑑などでは、オオスギゴケは5~15センチ、ウマスギゴケは10~20センチと説明されていますが、茎高とは全長のことを意味するのでしょうか。それとも、一年で成長する長さのことを意味するのでしょうか。写真を見てください。新潟の雪深い地域では、スギゴケは折れ曲がったように成長します。雪の重みで倒れ、春になると、そこから立ち上がって成長し、また雪の重みで倒れ、こうして折れ曲がって伸びてゆくのです。ですから、折れ曲がりの回数が、スギゴケの年齢をあらわしています。その一年で成長する長さは、オオスギゴケよりウマスギゴケの方が少し長いようです。
また、苔神は、全長が30センチ以上あるウマスギゴケを見たことがあります。大きさ(茎高)だけで種類を見極めるのは難しいですね。
  By 苔神