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苔の研究レポート

006 自生スギゴケのコロニー調査

自生しているスギゴケのコロニー(群落)がどのような構造をしているのか、調査、観察をしました。

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<調査期間>
2007年6月13日~2007年6月30日
<調査地点>
1、 新潟市山田地内の河川敷
2、 新潟市亀田地内の公園
3、 新発田市上板山地内の開発地
4、 新発田上板山地内の林道
<調査の概要>
1、 内径8センチの筒を使用して、コロニーを抜き取り、採取したスギゴケの株数を調べました。
2、 採取した株を緑葉株と枯死株に分けて記録しました。
3、 計量した数を100平方cm当たりの定量数に換算しました。
<結果の記述>
1、 新潟市山田地内:河川敷の全日照地の植栽された芝と雑草の中で自生し、薄いコロニーを形成しています。
個体長=3~6センチ、緑葉株=150株、枯死株=100株
2、 新潟市亀田地内:植栽木がまばらに生えている公園内の平地で、雑草の中で自生し、薄いコロニーを形成しています。
 個体長=3~6センチ、緑葉株=150株、枯死株=120株
3、 新発田市上板山地内の開発地:山中にある開けた全日照地で、伸びた雑草の中で自生し、一面に広がるコロニーの規模は大きく、非常に発達しています。
 個体長=5~14センチ、緑葉株=310株、枯死株=160株
4、 新発田市上板山地内の林道:山中の斜面の林道で、半日照地の雑草の中で自生し、コロニーの規模は小さいが、非常に発達しています。
 個体長=5~10センチ、緑葉株=360株、枯死株=65株
<結果から得られる推論>
1、 採取したスギゴケの中に枯死株が含まれることから、コロニーの内部で世代交代が進行していると推論できます。
2、 茎高(成長年齢)が高くても倒れにくいのは、コロニーの株密度が高いことに由来すると推論できます。
3、 コロニーの株密度はスギゴケの生息環境を整える機能を高めていると推論できます。

「推論できます。」なんて、学者みたいな口調になってしまいました。苔神は決して学者ではありません。調査の仕方は結構いい加減だと思いますし、ある程度、結果が想像できればすぐに調査や実験をやめてしまいます。要は、どうすれば苔を育てられるのか、その方法を知りたいだけの物好きな人なんです。
 こんな感じで、これからも研究します。
 by 苔神