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苔の研究レポート

011 砂で栽培したスギゴケ

 スギゴケを栽培する時、どんな土を使ったらよいのかと質問を受けます。苔神は、標準的に赤玉土とバークを混ぜて使用することを勧めています。スギゴケの場合は仮根層を育成するために、保湿性のよい柔らかい培土を深さ4センチ以上となるように容器内に投入します。

 しかし、基本的にはコケの栽培には土を選びません。砂だけでもスギゴケを育てることはできるのです。
 2008年5月23日に、スギゴケの種とハイゴケの種を混合した苔の種を播きました。使用した培土は砂丘地の砂です。粒子の細かい砂です。排水性がよく、水をやってもすぐに乾燥しますから、なるべく乾燥しない日陰に置き、灌水の頻度を多くして育てました。
 
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 3年間、育てましたが、最初の頃はハイゴケばかりが旺盛でスギゴケはちょぼちょぼでしたが、2年目くらいからスギゴケが目立つようになり、現在はスギゴケが旺盛です。砂で栽培していますが、ハイゴケがスギゴケの成長に役立っていると考えています。
 スギゴケが育たない原因の大半が水分の供給不足にあると思います。スギゴケが育ちにくい環境下で栽培する時は、保湿性のよい培土を使う、乾燥防止のためにハイゴケやスナゴケを混合で栽培するなど、少し工夫が必要だと思います。
 By 苔神